オーストラリアに住んでいたころ、図書館でふと手に取った一冊が『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(ベア・ジョンソン著)でした。
あの頃の私は、まだ「ゼロ・ウェイスト」という言葉すらちゃんとは知らなかったと思います。一年間のゴミがガラス瓶一個???表紙のシンプルさと、「ゴミを出さない暮らし」という響きが気になって、持ち帰って読み始めたら、ページをめくるたびに目が覚めていくような感覚がありました。
なにか特別な環境活動家の物語ではなく、ごく普通の主婦が、家族とともに「ゴミを出さない暮らし」を徹底的に試行錯誤していった記録でした。けれど、その内容は徹底していて、かといって気取っておらず、むしろ彼女のユーモアや葛藤がとてもリアルでした。
正直に言えば、私はこの本を読んで感動したけれど、すべてを実践できているわけではありません。それでも「ものを捨てないって、どんなことだろう?」「わざわざゴミを出す必要って、ほんとうにあるの?」と、自分の日常を振り返るきっかけになったのは間違いありません。
印象に残った化粧品の章
なかでも私が何度も読み返してしまったのは、ベアが「化粧品」をどう考えたかという章でした。
彼女は、自分が日々つけているメイク用品を一つひとつ見直していき、容器がリサイクルできないもの、成分に疑問のあるもの、自分にとって本当に必要ではないものを次々に手放していきます。そして最後に行きついたのが、「チークにはビーツの粉、アイライナーは焦がしたアーモンドで自作する」といった、いわば原始的ともいえる工夫でした。
このエピソードは、面白くて、ちょっと笑ってしまうくらい大胆でしたが、それと同時にとても考えさせられました。自分が「きれいになるため」と思っている行動が、いったい誰のためで、どこから来て、どこへ行っているのか。そういう視点を持つこと自体が、ゼロ・ウェイストの第一歩なのだと、そっと背中を押された気がしたのです。

ゼロ・ウェイストは「すべて捨てない」ではなかった
本のなかでベアは、完璧を目指すのではなく、「自分の価値観に沿った選択を、丁寧に積み重ねること」の大切さをくり返し語っていました。ゼロ・ウェイストというと、「とにかくごみを出さない」「ものを買わない」ストイックな生活を想像しがちですが、実際には「本当に必要なものは選び取る」「美しいものを大切に使い続ける」こともまた、その一部なのです。
それは、オーガニック蜜蝋ラップを使うようになった今の私にも通じる感覚です。私はまだ、ゼロ・ウェイストな暮らしを完全に実践できているとは言えません。けれど、この本を読んだことで、自分の暮らしのなかで「何を選ぶか」「何を減らせるか」を考える視点を持つようになったことは、大きな変化だったと思っています。

読み終えたあとに残ったこと
『ゼロ・ウェイスト・ホーム』を読んだ当時は、まだ子どもたちも小さくて、毎日の暮らしにいっぱいいっぱいでした。だからすぐに行動に移せたわけではありません。でも、読んだ内容はずっと頭の片隅に残り続けていて、日本に帰ってきてから、ふと何かを手放すときや、買い物をするときに「これはほんとうに必要?」と自問するようになりました。
一冊の本との出会いが、その後の暮らしの見え方を変えることがある。『ゼロ・ウェイスト・ホーム』は、まさにそんな一冊でした。いま改めて読み返してみても、その芯にある思想は揺るがず、むしろ以前よりも静かに胸に染み入ってきます。
これからも私なりに、完璧ではなくても、心地よい「私のゼロ・ウェイスト」を探っていきたいと思っています。

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日常にほんの少し「エコな工夫」を取り入れることで、私たちの暮らしも、地球も、ちょっとずつ心地よく変わっていくはずです。

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