「暮らしの中から、プラスチックをちょっと減らす」
そう聞くと、なんだか大変そうに聞こえるかもしれません。
でも私にとっては、暮らしを“少しだけ軽くする”、そんな心地よい選択でした。
私はオーストラリア・パースで暮らしていたときに「Plastic Free July」というムーブメントに出会い、それをきっかけにプラスチックをなるべく使わない暮らしを始めました。そして日本に移住してからも、その習慣は8年たった今も続いています。
サンドイッチのラップごみから気づいたこと
最初のきっかけは、子どものお弁当でした。
オーストラリアの小学校では、ほとんどの子がサンドイッチを持参します。日本のお弁当のように色とりどりではなく、食パンに具をはさんだシンプルなもの。でも、そのサンドイッチを毎日ラップで包んでいたことに、ある日ふと疑問を感じました。
「これ、毎日続けてたらすごい量のゴミになるな…」
そう思って調べてたどり着いたのが、蜜蝋ラップ(Beeswax Wrap)でした。
洗って何度も使える、天然素材で作られた食品用ラップ。手のぬくもりでピタッと密着し、サンドイッチもフルーツも包めて、そのまま冷蔵保存もOK。色や柄も可愛くて、使うたびに嬉しくなります。
何より「ゴミが出ない」というのは、私にとってとても大きな価値でした。毎日ゴミ箱にラップを捨てなくていい。そんな小さな変化が、私の“ものを見る目”を変えていきました。

マーケットとバルクショップが教えてくれた、暮らしの心地よさ
日々の買い物も、自然と変わっていきました。
パースでは、週末のファーマーズマーケットが生活の一部でした。新鮮な野菜や果物が山積みで並び、量り売りが基本。プラスチック包装はほとんどなく、布製のプロデュースバッグを持って買い物するのが当たり前。
さらに、乾物やナッツ、パスタなどを売るバルクショップでは、家の棚から容器を持って行き、必要な分だけ詰めて帰ってくる。帰ったら容器を棚に戻すだけ。ゴミはゼロ。
買い物なのに、ごみが出ない。
むしろ、選ぶ楽しさ、丁寧に暮らす実感がありました。環境のために…と肩に力を入れなくても、私にはこのスタイルがとても心地よかったのです。

日本に来てわかった「それでも続ける価値」
そんな生活にすっかり慣れていた私が、日本に帰国(というより移住)して、まず驚いたのが「プラスチックの多さ」でした。
レジ袋、パッケージ、ストロー、トレイ、個包装…
どこに行っても当たり前のようにプラスチックがついてくる。
もちろん、衛生面や効率、安全性のためでもあると理解しています。
でも、それでもやっぱり「一度使ったらすぐ捨てる」ことに、どこか引っかかる気持ちがありました。
だから私は、できる範囲で“自分なりのやり方”を探しました。
- 買い物にはエコバッグと蜜蝋ラップを持参
- 加工品は最小限、野菜は裸売りをできるだけ優先
- 蜜蝋ラップはおにぎりやチーズ、切った野菜の保存にも活躍
完璧にやろうとすると疲れてしまうけれど、「できる日だけやる」くらいの気持ちで、私は今もマイルールでプラスチックフリーを続けています。

ちょっと知ってほしい、プラスチックと日本の現状
Plastic Free Julyは、オーストラリア・Perthで生まれた世界的なキャンペーンで、今では一億人以上が参加しています。
実は、日本は世界で2番目にプラスチック容器包装を使っている国。
(1人当たり年間32kg以上、環境省調査より)
さらに、家庭から出るごみのうち約4割がプラスチック関連(容器包装リサイクル協会調査)とも。
この現状を変えるのに必要なのは、「誰かがすごく頑張る」ことではなく、「たくさんの人がちょっとずつ変わる」こと。
たとえば、蜜蝋ラップ1枚使うだけでも、年間100回以上の使い捨てラップを削減できるとも言われています。たった1枚でも、毎日の習慣に差が生まれるんです。

蜜蝋ラップが変えてくれたもの
私が愛用している蜜蝋ラップは、オーガニックコットンと蜜蝋、松脂でできていて、使い終わったら土に還る素材です。
野菜の切り口やおにぎり、お弁当のカバー、チーズやパンの保存にもぴったり。洗って何度も使えるから、経済的でもあります。
そして、何より嬉しいのは——ラップを開くとき、ゴミ箱に何も捨てる必要がないこと。
このささやかな“気持ちよさ”が、暮らしを少しずつ変えてくれました。
完璧じゃなくていい。“私なりのPlastic Free July”でいい
Plastic Free Julyは、誰かに強制されるものではありません。
完璧じゃなくていい。
できる範囲で、自分なりの一歩を踏み出すだけ。
私にとっては、
「ゴミを出さないって、やっぱり気持ちいいな」
その感覚を大切にしながら、8年間続けてきたチャレンジです。

あなたも、今年の7月だけやってみませんか?
- ラップの代わりに、蜜蝋ラップを1枚取り入れてみる
- スーパーでの袋を1つだけ減らしてみる
- 家族で「今日はゴミを出さないご飯の日」を決めてみる
そんな小さな一歩が、心を豊かにするきっかけになるかもしれません。
▶ 私が使っている蜜蝋ラップはこちら
「e-eco and organic」の蜜蝋ラップ紹介ページへ → [About Us]

出典・参考
- 環境省『プラスチック資源循環戦略』(2019)
- 容器包装リサイクル協会(2023)
- Plastic Free July公式:https://www.plasticfreejuly.org/
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