人新世とは何か──人類が刻む地球の新しい地層

はじめに:なぜ「人新世」という言葉が注目されているのか

最近よく耳にするようになった「人新世(じんしんせい)」。

気候変動、プラスチックのゴミ、生きものの絶滅。こうした問題が、単なる環境問題ではなく、“地球そのものの構造”を変えてしまっているという話。

にわかには信じがたいかもしれませんが、これは世界中の科学者が真剣に議論している現実です。

この言葉が何を意味していて、どんな背景があるのか──。

地球の長い歴史の中で、私たち人間がどれほど大きな存在になってしまったのか。そこを一緒に見ていきたいと思います。

「人新世」という言葉が生まれた背景

「人新世(Anthropocene)」という言葉を最初に提案したのは、大気化学者のパウル・クルッツェンと生態学者ユージン・ストーマー。

2000年のことでした。

彼らは「もはや地球の自然は、人間の手によって大きく変えられてしまっている」として、それまでの「完新世(Holocene)」では説明しきれない新しい時代が始まったのではないか、と指摘しました(Crutzen & Stoermer, 2000)。

この考え方は、単なる学者の主張にとどまらず、環境問題を考える多くの人たちに大きな影響を与えました。

地球は変わっている。

その変化の原因は、私たち自身なのだと。

地質学の世界ではどう扱われている?

地球の歴史は「地質時代」として細かく分けられていて、それぞれの時代は地層や氷床コアなどの“証拠”に基づいて決められます。

今、私たちは「完新世」という時代にいることになっていますが、研究者たちはこの時代をすでに超えて、「人新世」という新しい段階に入っていると考えているわけです。

2023年には、国際的な研究グループ(Anthropocene Working Group)が、カナダのクレア湖に積もった放射性物質やプラスチックなどの痕跡を「人新世の境界マーカー」として提案しました。

けれど、2024年にこの提案は正式には却下されました。

つまり、現時点では「人新世」はまだ“非公式”の時代という位置づけ。

でも、非公式とはいえ、世界中で話題になっているのは事実です。

「いつから始まったのか」はまだ決まっていない

この「人新世」、いつから始まったかについても、実はまだ決着がついていません。候補として挙げられているのは以下のような時期です:

  • 産業革命(18世紀末):石炭を使い始め、機械化と都市化が進んだ頃
  • 第二次世界大戦後(1945年以降):核実験によって地層に放射性物質が残された時期
  • 1950年代(グレート・アクセラレーション):プラスチック、農薬、化石燃料の消費が一気に増えた時期

特に有力なのは1950年前後。

この頃を境に、私たちの暮らしぶりが急激に変わったというのは、肌感覚としても納得できる人が多いのではないでしょうか。

人新世を示す“証拠”たち

「人新世」と呼ぶ根拠には、さまざまな具体的な痕跡があります。

  • 地層に残る人工物
    • プラスチック、アルミニウム、コンクリートなど、自然界には存在しなかった物質
    • 核実験による放射性物質(セシウム137やプルトニウムなど)
  • 生態系の変化
    • 生物多様性の減少(いわゆる“第六の大量絶滅”)
    • 外来種の拡大と、在来種の絶滅
  • 気候変動
    • 二酸化炭素の急激な増加(産業革命以降、過去80万年で最も高い水準)

こうした変化が“地層に残るレベル”で起きているというのが、「人新世」という言葉の本質なんです。

私たちは何を選ぶのか──人新世に生きる意味

「人新世」は、ただの科学用語ではありません。もっと深いところで、私たち一人ひとりの生き方に関わってくる話です。

ごみを減らす、循環を意識する、未来に残る素材ではなく“土に還る”素材を選ぶ。

そうした小さな選択の積み重ねが、この時代に生きる私たちの“証言”になっていくと私は思っています。

たとえば、プラスチックごみの代わりに蜜蝋ラップを使うという選択もそのひとつです。

私はこれをただの便利グッズとは考えていません。「使い捨てにしない生活」や「自然とつながった暮らし」を表現する“道具”だと思っています。

しかも、蜜蝋ラップは使い終わっても終わりじゃない。土に還したり、リメイクして植物の鉢にしたり、あるいは別の用途に生まれ変わることもできる。そんなふうに、一度きりじゃない素材と向き合うことも、「人新世の生活者」としての選択肢なのかもしれません。

おわりに

「人新世」は、今を生きる私たちの“地層”です。何が残され、何が失われるのか。どんな地球を、どんな未来を、残していくのか。

この時代に暮らす私たちが、「何を残さないか」まで意識できたとき。人新世の意味が、本当の意味で見えてくるのかもしれません。小さな暮らしの中で、私は蜜蝋ラップという道具を通して、それを問い続けています。

e-eco and organic のオーガニック蜜蝋ラップや蜜蝋バッグは、すべて自然素材で、何度も使えて、最後は土に還ります。
日常にほんの少し「エコな工夫」を取り入れることで、私たちの暮らしも、地球も、ちょっとずつ心地よく変わっていくはずです。

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