日々、何かを使い終えたとき。
それが「燃えるゴミ」として処理されるのか、「資源」としてリサイクルされるのか、あるいは「土に還る」のか──。
その“終わり方”に目を向けることは、実はこれからの暮らしのあり方を見直すきっかけになります。
私たちが作っている蜜蝋ラップは、使い終わったあと、自然の循環の中に帰っていくもの。
それは、ただの「便利なエコ商品」ではなく、暮らしと自然の関係をそっと問いかけてくれる存在でもあります。

土に還るって、どういうこと?
「土に還る」とは、自然由来の素材が微生物などの働きによって分解され、最終的に土壌の一部になること。
時間はかかるけれど、自然のサイクルに逆らわず、無理なく“もとに戻る”という感覚です。
これにはいくつかの段階があります。
- 生分解性(biodegradable):微生物などによって分解される性質
- 堆肥化可能(コンポスタブル):分解後、土壌に栄養として還元されるもの
- 産業用 vs 家庭用:産業用コンポストが必要な製品は、家庭では分解しにくいことも
私たちの「e-eco and organic」の蜜蝋ラップやバッグは、オーガニックコットン・天然樹脂・蜜蝋など、自然界に存在する素材だけを使用しているため、土に還すことが可能です。
使い終えたあと、庭に埋めて自然に分解されていく様子を見守る。
それは“ゴミを捨てる”という行為とはまったく違う、あたたかい終わり方なのです。

「土に還る」ことのメリットと、小さなデメリット
エコ商品の中でも「土に還る」製品は、最終的に焼却処分しなくて済む点で大きなメリットがあります。
◎メリット
- ゴミを減らせる(燃やさない・出さない)
- 自然界の一部として循環できる
- CO₂排出を抑える効果も(焼却処分と比べて)
- 心が軽くなる体験──「捨てる罪悪感」からの解放
しかし、すべてが完璧というわけではありません。
△デメリット・注意点
- 分解には**一定の環境(温度・湿度・微生物など)**が必要
- 分解にかかる時間は早くても数ヶ月〜半年以上
- プラスチックに比べると耐久性や防水性がやや劣る
でも、それは「自然のリズム」に合わせた暮らしということ。
今の便利さやスピード感に慣れてしまった私たちにとっては、少しゆっくりに感じるかもしれませんが、それこそが自然との距離を取り戻すヒントになるのではないでしょうか。
世界の「土に還る」製品たち
世界でも、「使い終わったあとどうなるか」を考えた製品が増えてきています。
🌍 世界の事例
- Ecovative(アメリカ):キノコの菌糸体から作られた梱包材。自然に還すことが可能。
- BioPak(オーストラリア):コーヒーカップやカトラリーなど、すべて堆肥化可能な素材で提供。
- Zero Waste Shops(ヨーロッパ・オーストラリア):計り売りや裸売りが主流の店舗では、持参容器や土に還る包装が一般的に。
このような製品は、単に「エコだから選ばれる」のではなく、暮らし方そのものを再設計する視点から生まれています。

蜜蝋ラップは、循環を体感できるアイテム
私自身、蜜蝋ラップを作る中で、「使って終わり」ではない製品というものを意識するようになりました。
蜜蝋ラップは、包んで、洗って、また使って──最後は土に還す。
この「最後まで面倒を見てあげられる」ものづくりは、作る人にも、使う人にも、やさしい感覚をもたらしてくれます。
さらに、子どもと一緒にラップを切って土に埋めるという行為も、環境教育や食育のきっかけになることも。
「どうやって終わらせるか」を一緒に体験できるって、思った以上に豊かなことなんだと感じます。

e-eco and organic のオーガニック蜜蝋ラップも「土に還る」商品です
私たちが手作業でつくっている蜜蝋ラップとバッグも、すべて自然素材。
肌に触れても安心で、使い終えたら自然の中へ還っていけます。
【商品情報】
● 蜜蝋ラップ
・Sサイズ(19×19cm):850円
・Mサイズ(26×26cm):1350円
・Lサイズ(32×32cm):1500円
● 蜜蝋バッグ
・Sサイズ(20×20cm):1300円
・Mサイズ(24×24cm):1900円
・S+Mセット価格:2800円
カットして土に埋めれば、半年〜1年ほどで自然に消えていきます。
小さな循環を、暮らしの中に取り入れてみませんか?
▶ オンラインショップ:Shop
参考リンク・出典
・Ecovative(アメリカ)
・BioPak(オーストラリア)
・Plastic Free July
終わり方を選べる暮らしへ
ものを選ぶとき、「どう使うか」ばかりが注目されがちです。
けれど、「どう終わるか」までデザインされているものって、案外少ないかもしれません。
「土に還る」というやさしい終わり方を知ると、暮らしの中の選択が少しずつ変わっていきます。
無理のないペースで、自然のサイクルに身を委ねる。
その実感が、これからの地球との付き合い方に、ちいさな希望を与えてくれる気がします。
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